!注意!
これはヒノエとが結婚してから五年後の捏造です。ちなみに二人の子供が出
てきますのでそういうのがお嫌いな方はブラウザバックでお戻り下さい。
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「ははうえ〜…ゆきだるま…」
ぐしゃぐしゃになった雪だるまであったものの残骸を見て、悲しそうに振り返った。
ゆきだるまとけちゃった
「ゆきだるまとけちゃったよ、ははうえ」
着物にすがりながら言う愛娘の頭をそっと撫でてやると、悲しくなったのか途端に唇を引き結んでぽろぽろと泣き始めた。
私によく似た碧色の瞳から透明な雫が白い肌を伝う。
寒さのせいかほんのりと赤くなった頬を包んで涙を拭ってやった。
「ほらほら、泣かないの」
もうすぐ四歳になる愛娘は春生まれ。とても不思議な髪色をしていた。
生まれたばかりの頃は碧眼に桜色の髪で私そっくりだったこの子。
その内に伸びた髪は毛先ばかりがヒノエくんのようにはね、髪は毛先に向かうにつれ桜色から緋色へとグラデーションしていった。
見事に私とヒノエくんの特徴を取り入れた容姿に周囲の人からはひどく驚かれたものだった。
「だってははうえぇ、ゆきっ、だるま、っ、とけちゃ…ぅえぇ…」
「わかったから。いい子だから泣かないで?ね?」
縁側に座り膝の上に載せてやる。ちちうえといっしょがいい!といって結ってやった左側だけの三編みが少し崩れていた。
「オレのチビ姫は何をそんなに泣いてるのかな?」
「ちちうえ…」
「ヒノエくん!」
突如頭上からかかった言葉に見上げると眩しいくらいの赤い髪をした彼が立っていた。
くしゃりと泣いてる愛娘の髪を混ぜて横に腰を下ろす。涙を拭っていた小さな手を退けて大きな指で涙を拭った。
「チビ姫、をあんまり困らせるんじゃないよ」
「だっ…て」
「だって、どうしたんだい?」
「ゆきだるま、とけちゃ…た…ん、もん」
「そんなのまた作ればいいだろう?」
「ゆきもぜんぶ、とけちゃったよ…?」
「また降るさ」
「ほんとう?」
「ああ、本当だ。父上が嘘ついたこと、あったかい?」
「…ううん、ない」
「じゃあもう、泣くのをやめなよ」
私の膝から抱き上げてヒノエくんは自分の膝の上に載せてやる。おでことおでこをこつんと合わせて安心させるように笑った。
「ほら、可愛い顔が台無しだよチビ姫。父上の大好きな顔で笑ってくれないかい?」
「うん…」
にこりとまだ引き攣った顔で笑った愛娘は私の膝の上に戻ってくると胸に体を預けた。
ぽんぽんと背中を叩けば次第に泣き疲れたのか小さな寝息が聞こえた。
「やれやれ。チビ姫は眠ったか」
「お疲れ様、ヒノエくん」
疲れたように言うヒノエくんにくすくすと笑う。そして小さくごめんね、と呟いた。
「何でが謝るんだい?」
「私が雪だるま教えたんだし…」
そう。そもそもは私が愛娘に教えたのが始まりだった。
雪が降った日のドキドキ感を味あわせてあげたくて教えたのだがまさかこんなことになるとは思わなくって。
「いいんだよ。はチビ姫を喜ばせてやりたくていったんだろう?」
「それはそうなんだけど…んっ」
「それ以上言うと塞ぐよ?」
「もう塞いだじゃない!」
「じゃあもう一度」
「ヒノエく…んっ」
腕の中で眠るぬくもりを抱き締めたまま、もう一度触れるだけのキスをした。空から再び降り始めた粉雪にまだ気付かずに…
おもいっきり趣味に走ってごめんなさい…!
でも書いてて凄い楽しかった(笑)