「姫君?窓を開けてもらえると嬉しいんだけどね」

電話を受けて窓を開けると隣の家からヒノエが飛びうつってきた。

「わっ!ヒノエくん危ないよ!」

「ふふっオレがそんな失敗すると思うかい?」

「でも危ないよ」

「姫君は心配症だね。まあオレの身を案じてくれてるんだから嬉しいけど」

の顎を捕えて耳元で囁く。脳髄に直接響く声には真っ赤になりながらヒノエの体を押し返す。

「おや、つれないね

「つれないとかそうゆう問題じゃないでしょ」

真っ赤になりながら言うを見てヒノエは満足気に笑った。そしてうつむいたに一歩近付き前髪をあげた。

「?ヒノエく」

「ちゅっ…」

「!!?」

「今日はこのへんで退散するよ。おやすみ、オレの姫君」

額に手を当て口をぱくぱくと開け閉めしているに悪戯っぽく言いヒノエは背を向ける。
厄介になってる隣の家に戻ろうと窓に向かう彼を小さな白い手が止めた。

「…どうしたんだい?」

極めて優しく言いながら服の裾を掴んでいた手を放させる。
その白く柔らかな手を自分の手で包むとは少し怒ったような顔を上げた。

「子ども扱い、しないで」

「姫君がお望みならオレは大歓迎だよ?熱い抱擁と深い口付けをお見舞いしようか?」

「やっ…やっぱりいい」

「それは残念。じゃあオレは帰るよ?」

「…うん」

「そんな可愛い顔されると帰りたくなくなるんだけどな…参ったよ」

ヒノエは空いた手でくしゃりと自分の髪をかきあげながらの肩にその手を置く。
そしてその額にもう一度口付けを落とした。

「…おやすみ、姫君。オレの夢を見るんだよ」

「そんなの、わかんないよ」

「ああ、笑ったね。その花の笑顔が見たかったんだ」

「ヒノエくん」

「じゃ、また明日」

が何かを言う暇を与えずにヒノエは颯爽と飛びうつっていった。
窓を閉めながらは少し複雑そうに笑った。





「全く、堪らないね」

有川家に戻ってヒノエは楽しそうに笑った。

全く、この距離間が堪らない。
言葉遊びをして、駆け引きをして、窓を開けてしまえば越えられる距離。
近いようで遠い、二人の距離。

「まるでオレとの心の距離みたいだな」

さあ、駆け引きを始めようか?









 を 開 け れ ば 君 が い る 。














ヒノ誕いっこめ!終わり方ぐたぐだ…。
何かお互い片想いっぽいね…。 t




















キーワードはスクロールしてもはないですよ?







だからないって。















ほら。ないでしょ?