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囚 わ れ て
好きだ、と気付いてしまったその瞬間に、もう捕まってたのかもしれない。
鎖
「」
そう、笑って。
俺だけに微笑んで。
「―好きだよ」
くるおしいくらい、愛してる。
全部表現したらお前を壊しちまう。
だから今は、もう少しこのままで―
「ヒ、ヒノエくん…っ!離して…」
恥じらって肩を押し返すに少し体を離して顔を伺う。
白い肌はほんのりと紅潮していて、身長差のせいで必然的に上目使いになっている事が俺の心を熱くさせた。
「駄目だよ、離さない」
手を突っ張って体を離そうとするの手を取って更に抱き込む。
「ヒ、ヒノエくん…!みんな行っちゃうから…!」
先に進む仲間を思ってか、オレから離れようとはわたわたした。
正直面白くない。オレの腕の中にいる間はオレの事だけ考えていて欲しいのに。
「、」
名前を呼んで、振り向くお前に口付け一つ。
「ヒノエくんっ…!」
「好きだよ…」
わざと耳元で囁いて。
ねぇオレだけを見なよ…。
「ヒっヒノエくん、恥ずかしいよ…!」
「嫌なのかい?」
赤くなって顔を背けるをわざと覗き込む。
「嫌、じゃ、ないけど…」
赤くなりながらそう呟くが愛しくて、耳たぶに口付けて囁く。
「愛してるよ…」
ねぇ。
オレはお前に囚われてしまったんだ。
だから、お前も。
「オレに囚われなよ…」
オレと言う名の鎖に囚われなよ