「自分より年上はみんな敵」とか言ってたのに奈々さんは違うんだ…獄寺のバーカ。
好きで好きで仕方ない!
「何怒ってるんだよー」
「別にー」
いつも通り沢田君の家に行った帰り道、獄寺と一緒に帰っていた。
私は獄寺が好きで好きで好きで堪らないくらいなのに
獄寺はそんなことないんだろうなって思ったら悲しくて、勝手に顔が下を向く。
「…獄寺は、奈々さんには優しいよね」
「はぁ?」
「年上みんな敵なんじゃなかったっけ」
「何…お前、十代目のお母様に妬いてるわけ?」
「妬いたら悪いわけ?私は獄寺が好きで好きで堪らないけど、獄寺は違うんだよね」
「お前、馬鹿じゃねーの。俺を何だと思ってんの」
「は?」
獄寺の顔が近付いてきて、まだ沢田君の家から数キロメートルなのにキスされて、
挙げ句にそのまま力任せに抱き締められた。
「ちょ…っ獄寺!苦しいよ」
「俺もお前が好きで好きで仕方ねーよ、馬鹿」
体を離して顔真っ赤にした獄寺に言われて噴き出した。
「ちゃんと…名前で言ってくれない?」
「…が好きで好きで仕方ねーよ」
照れながら、それでもちゃんと言ってくれた獄寺に
私は愛されてるなあなんて思って笑った。